STORY

episode.12

「また、明日――」

脚本:中村亮介/絵コンテ:中村亮介/演出:中村亮介/作画監督:細居美恵子

デッドスポットから仲間を逃がすため、コボルド達がひしめくサイリン鉱山五層にひとり取り残されたランタ。命からがら逃げのびたものの、依然敵の渦中は変わらず。一方、ランタ救出を図るハルヒロたちは、態勢を立て直し捜索を開始。持ち前のしぶとさを発揮し、逃げ回るランタを発見する。そして、デッドスポットがランタを追い詰めようとした瞬間――!? 敵は圧倒的な強さを誇るデッドスポット。ハルヒロはかつてのマナトの言葉を噛みしめる。これは必死に生きるもの同士の命のやりとりなのだと――。

キャストコメント

グリムガル12話放送を終えて、キャストの皆様よりコメントを頂戴しました。


■細谷佳正(ハルヒロ役)
この作品を作っていく中で、折に触れて中村監督が仰っていたのが「自然」という言葉。演者ってシーンや物語を理解して演じていくから、ともするとそのシーンの本当に言いたいことを演出しちゃうことがあるんですけど、それはしなくていいですよ、って。アニメ的なお約束って言うのはあるんですけど、それを観客に見せると言うことはしないでください、と。それが監督の仰る「自然」ってことなんだろうなと。そうした部分が皆様にも届くことで作品が完成するので、そうなっていたら嬉しいです。

■小松未可子(ユメ役)
色んな作品がある中で、「灰と幻想のグリムガル」は見ることにも結構パワーが必要な作品だったんじゃないでしょうか。最後まで楽しんでいただいた皆様は、パワーを使いながら、ユメ達と一緒にグリムガルで生きて、戦ってくださったのかな、と思います。アニメは終わってしまいましたが、まだグリムガルという作品は続いていますので、足りない!という皆様は是非原作小説も読んで、そこでもグリムガルの世界を楽しんでください。またアニメという形で出会えたら嬉しいです。

■吉野裕行(ランタ役)
他の演者の皆さんが僕の言いたいことを全て言ってくださっていると思うので、これ以上何も言うことはございません! エンタメですから、どう感じていただけたかは、見たくださった皆様に委ねます!

■安済知佳(メリイ役)
私は途中から参加したのですが、グリムガルという作品は、音楽が毎話毎話のキーになってて、その音楽を聴くと世界観にすぐ入っていけて、ずっといたいな、出たくないなと思えるのが凄く印象的でした。アニメが終わってしまうのは寂しいですが、原作やBD/DVDの特典ブックレットやアプリなど、色んなコンテンツが周りにありますので、楽しんでいただきつつ、アニメの方も是非何度も何度も見返していただきたいです。

■照井春佳(シホル役)
アフレコの時から感じてたのですが、完成したアニメを見ていても、凄くじわっと沁みてくる作品で、グリムガルに出会えたことを私も本当に嬉しく思いますし、皆様もそう感じていてくださったら、幸せです。

■落合福嗣(モグゾー役)
全12話のうち8話を1つの敵と戦うアニメってなかなかないですよね。作品としてはゆったりしたペースだったかもしれないですけど、その中に戦いがあって、死があって、それ以上に衣食住があって。グリムガルの世界で生きるってことを真剣に見つめて、描いていたからこそ1話1話が本当に濃密でしたし、色んな要素が詰まっていたなと感じます。その中から皆様が、「生きるってこうなんじゃないかな」って何かを一つでも持ち帰ってくださっていたら本当に嬉しいです。

■島﨑信長(マナト役)
グリムガルという作品は、ショッキングなシーンや重いシーンも多く、死を実感したり、生きるって辛いと感じるような描写も多かったのですが、そこがメインでは無く、その中でどう生きていくか。「生」って部分を描いた作品だってことが僕自身、とても好きですし、そうしたエネルギーやメッセージを届けたいと思って演じてきました。皆様に明日を生きるための前向きな何かが、届いていたら幸いです。