2016.01.13
子羊たちへの義勇兵指南2 職業とは役割である。

「オレらの戦士はビビりですぐに誰かの後ろに隠れたがる」
「こっちの盗賊は逆。戦士を差し置いて前に出たがる」
「うちの神官も血の気多すぎ。味方のケガそっちのけでゴブと殴り合ってて」

 酒場で耳をそばだてていれば必ずこんな会話が聞こえてくる。
 義勇兵見習いの諸君もそろそろギルドでの訓練を終え、職業を身につけたことだろう。
 だが習ったスキルを闇雲に使っているだけでは、到底一人前とは言えない。
 戦闘において、おのれの役割を果たしてこそ、真の義勇兵なのだ。

 戦士は前に出て敵を引きつける。
 狩人や盗賊、魔法使いたちは、戦士が引きつけた敵を倒す。
 そして神官は、傷ついた味方を的確に癒す。

 これが各職業の役割だ。
 この役割を果たさない限り、自分ではどんなに頑張っているつもりでも、君はただのパーティのお荷物だ。たとえ百人の敵を屠ろうが、味方を癒さない神官に価値はないのである。

 君が戦士のクセに逃げ回ったせいで、敵が他の仲間に向かってしまったことはないか?
 神官の君が目の前の敵を倒すのに一生懸命になってしまったせいで気がついたら味方が血だらけだったことはないか?
 薄い防具しか持たない狩人や盗賊の君が前に出すぎたせいで無用なケガをして、神官に苦労をかけたことは?
 胸に手をあてて、よく考えてほしい。

迷える子羊の導き手“コーギ”
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